ハッピーエイジング

当院の設立の基盤となっている考え方です。
そして、我々がこれからの社会に強く望むものです。

日本は2010年に超高齢社会へと突入し、世界中でも『人生100年時代』がいよいよ現実的になってきている中、これまでのように年齢の区切りによってライフスタイルが決定付けられるというよりも、今後、『どのような年の重ね方をしていくか』がその人の人生を決定づける大きなテーマになっていくと考えます。

長生きすることが当たり前になり、長生きをすることを前提に我々は生きていかなければいけなくなりました。しかし、その『長生き』の代償として健康問題や病気への不安などが日々、慢性的に人々を悩ますようになっています。私は、『100歳まで生きる』ことが必ずしも『幸せな人生』に結びつかないことを在宅医の経験から、痛感してきました。そして、そこにいつも横たわるのは年を重ねるごとにいうことを聞かなくなる自身の体への苛立ちや諦め、なぜもう少し若い時から体を労わってこなかったのかという後悔、それと他にどうしようがあったのかという患者さん自身の自問の声でした。私が主治医をさせて頂いた患者さんの中に、ベッドの上で過ごす一日は時としてこれまでの自分の人生よりも長く感じることがあると教えてくれた方もいらっしゃいました。

誰しも年を重ねることは避けられません。しかし、幸いなことに私たちはその年の重ね方を選ぶことが出来るようになってきました。普段はあまり気にしていない、または気にしてこなかった自身の体を知ること。これが幸せな年の重ね方の第一歩です。いくつになっても遅いことはありません。

ハッピーエイジングとは、長生きを義務付けられた我々にとって、またそれによってさらに多く手に入れた時間を持て余すことなく、少しでも長く自分の意思、自分の力で生きることで、幸せを感じながら年を重ねていけるように、医療の枠に留まらず様々な分野の知識や技術を用いて諸問題に取り組んでいく考え方のことです。

年を取ることに抗う取り組みが『アンチエイジング』、楽しみながら年を重ねるのが『エンジョイエイジング』、しかし、その真の目的は個々の人々の『幸せな人生』にあると私たちは考えています。私たちは医療的な取り組みから、皆様の『幸せな人生』を考えます。

C5クリニック / 院長 町田 亮